長時間のパソコン作業は、背中や肩の筋肉に過度な負担をかけ、猫背や肩こりの原因となります。
まず、前傾姿勢で画面を見ることで背中が丸まり、猫背を引き起こします。
さらに、肩を上げた状態でキーボードを操作することが多く、肩の筋肉が緊張して硬くなり、血行が悪化します。この姿勢の持続により、筋肉の疲労とコリが蓄積し、肩こりが発生します。
また、不適切な椅子やデスクの高さも姿勢の悪化を助長します。
パソコン作業で疲労する筋肉の部位
パソコン作業にて長時間の同じ姿勢が筋肉の血行不良や、筋肉の萎縮や弛緩を引き起こします。
ここでは具体的にどの筋肉がどのように使われるのかを詳しく解説していきます。
僧帽筋
僧帽筋は、長時間のパソコン作業で特に影響を受けやすい筋肉の一つです。
パソコン作業中、画面を見続けるために頭が前に突き出し、肩が上がった状態が続くと、僧帽筋が常に緊張します。
この緊張が持続すると、僧帽筋の血行が悪化し、筋肉に疲労が蓄積されます。
結果として、僧帽筋が硬くなり、痛みやコリが発生します。
さらに、背中や肩の姿勢が悪化することで、猫背や肩こりが深刻化し、全体的な姿勢の悪循環を引き起こします。
大胸筋
大胸筋は、長時間のパソコン作業においても重要な役割を果たします。
作業中、肩を前に突き出しがちな姿勢をとることが多く、この姿勢が続くと大胸筋が短縮し、緊張状態が持続します。
大胸筋の緊張が強くなると、肩を前に引っ張る力が強くなり、猫背の姿勢が強化されます。これにより、背中の筋肉(特に僧帽筋)が引っ張られ、さらに負担がかかり、肩こりが悪化します。
大胸筋のストレッチや姿勢改善を意識することで、肩こりの軽減が期待できます。
胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋は、首の側面に位置し、頭を前方に傾けたり回旋させたりする役割を担う筋肉です。
長時間のパソコン作業において、画面を見るために頭が前に突き出る姿勢を続けると、この筋肉が過度に緊張します。
胸鎖乳突筋の緊張が続くと、首や肩の周囲の筋肉の血行が悪くなり、筋肉に疲労やコリが生じます。
また、胸鎖乳突筋が緊張すると、首の前方への引っ張りが強くなり、猫背姿勢が助長され、結果的に肩こりや首の痛みが悪化します。
この筋肉のストレッチや適切な姿勢維持が重要です。
猫背と肩こり改善の具体策
上で紹介した筋肉が主に肩こりや猫背の時に緊張しやすい筋肉です。
次にこの筋肉をストレッチやマッサージなどでほぐす具体的なやり方をご紹介していきます。
僧帽筋のストレッチは頭を横に倒すことで簡単に行う事が出来ます。
ポイントは頭が真横に倒れる事が重要になってきます。
頭が前方に倒れてしまうと僧帽筋へのストレッチが弱くなってしまい、正しい効果を感じる事が出来ません。
また頭を強く引っ張り過ぎてしまうと、首の筋肉を痛めてしまう恐れがあるので弱い力で軽く抑える程度にとどめておきましょう。
大胸筋のストレッチには、壁を使った方法が効果的です。
まず、壁に向かって立ち、ストレッチしたい側の腕を肩の高さで壁に当てます。
肘を軽く曲げ、手のひらを壁に押し付けます。
その状態で、体を反対方向にゆっくりと回転させ、大胸筋が伸びるのを感じます。
約15〜30秒間、その姿勢を維持し、深呼吸を続けます。
反対側も同様に行います。
このストレッチは、大胸筋を効果的に伸ばし、猫背の改善や肩こりの軽減に役立ちます。
定期的に行うことで、筋肉の柔軟性が向上します。
胸鎖乳突筋ストレッチは自身で鎖骨を指で抑えて顎をななめ上方向に向けます。
少し顔を上方向に向ける力を加えると胸鎖乳突筋がストレッチを感じる事ができます。
鎖骨と顎をつなぐ筋肉の胸鎖乳突筋は猫背や肩こりによって強く緊張している筋肉でもあります。
直接筋肉をさわって上から圧をかける方法でもストレッチすることが可能です。
まとめ
パソコン作業中の猫背肩こりを改善するためには、僧帽筋、大胸筋、胸鎖乳突筋のストレッチが重要です。
僧帽筋のストレッチは、肩こりを軽減し、姿勢を改善します。大胸筋のストレッチは、猫背を防ぎ、背中のストレスを軽減します。
胸鎖乳突筋のストレッチは、首や肩の緊張を和らげ、血液循環を促進します。
これらの筋肉のストレッチを定期的に行うことで、筋肉の柔軟性が向上し、正しい姿勢を保つのに役立ちます。
また、血行が改善され、疲労やコリの軽減にもつながります。
継続的なストレッチは、体のバランスを整え、パソコン作業中の不快な姿勢や肩こりの予防にも効果的です。
結果として、快適で効率的な作業環境を維持し、健康的な生活を支援します。